
はじめに
「誤出荷をなくそう」「安全第一」と現場で繰り返し声をかけても、なかなかミスや事故が減らない……。そんな悩みをお持ちではありませんか? 実は、物流品質の停滞はスタッフのスキル不足ではなく、「倉庫という環境そのもの」に原因があるケースが少なくありません。
今回は、現場の負担を減らしながら物流品質を高めるための「ハード面(施設・設備)」の見直しポイントを解説します。
物流品質の6つの重要ポイント
まずは物流品質の6つの重要ポイントを基本からおさらいしてみましょう。
1. 納期
クライアントに指定された納期を守ることは、信頼を獲得する上で非常に重要な課題です。納期遅延は顧客満足度を著しく下げてしまうため、繰り返すと企業イメージが悪くなり受注機会を失ってしまいます。計画的に作業できるシステムや人員体制を整え、リードタイムの短縮を図りながら繁忙期の対応力を強化しましょう。
近年はEC市場の拡大により翌日指定や時間指定のニーズが高まっているため、配送スケジュールをしっかり管理することに加え、作業効率向上が重要課題になっています。
2. 保管物の状態
保管物の特性に応じた適切な保管方法を徹底し、破損・汚損・欠陥などを防ぐことは物流品質の基本です。
具体的には、以下のような対策が求められます。
- 温湿度の管理 :食品や紙類などの品質維持、カビの予防
- 静電気・振動対策:精密機器の故障を防ぐ
- 虫対策:衣類へのダメージを防ぐ
- 紫外線対策:化学製品の性質変化や変色を防ぐ
- 清潔度の維持:衛生面への配慮
また、保管物を移動する際の事故や衝突などによる損傷も防ぐ必要があります。通路をしっかり確保して移動しやすい環境を整えるだけでなく、出し入れの頻度を考慮したレイアウトでリスクを最小限に抑えられる倉庫を実現しましょう。
3. 正確性
誤出荷を防ぐためには、ピッキングや仕分け作業の精度を高め、プロセスの正確性を上げることが重要です。誤出荷は顧客満足度を低下させるだけでなく、クレーム対応や返品・再送作業などを伴い、作業効率に影響を及ぼします。
マニュアルを整備して作業手順を標準化する他、ダブルチェックシステムを構築することで正確な作業を継続できる体制を整えることが大切です。特にミスが発生しやすいのは繁忙期です。作業量が増えてもミスなく進められるように、常日頃からピッキング・仕分け・検品作業の精度向上を図り、従業員の意識とシステムの合理性を高めていきましょう。
4. 事故防止
事故は保管物の損傷に繋がるだけでなく、労働災害により従業員が働けなくなってしまうリスクを伴います。倉庫内では、保管物の落下や輸送車両の衝突、つまずきによる転倒など、様々な事故が考えられます。
整理整頓を徹底して良好な作業環境と視界を確保することや、作業動線をわかりやすくすることに加え、危険予知活動(KY活動)や安全教育を実施して従業員の安全意識を高めましょう。万が一、事故が発生してしまった場合は、関係者全員で原因究明と再発防止策の立案を行い、事業所全体に周知することが大切です。
5. 環境貢献
ここまでの4項目と比べると優先順位が下がってしまいがちですが、これからの企業がイメージアップを目指すには環境貢献が有効です。企業のCSR(企業の社会的責任)の重要性が増している中、持続可能な社会を実現するために欠かせない環境保全に努めることは、企業が成長していく上で避けては通れない課題になっています。
運送車両の排気ガス低減対策をはじめ、建物の省エネルギー化やライフサイクルCO2(建物がつくられて壊されるまでに必要な二酸化炭素の総量)の削減など、倉庫・物流業で取り組める環境対策は少なくありません。SDGsなどを参考にしながら、企業のイメージ向上に繋がる環境貢献を検討してみましょう。
6. 印象
最後の重要ポイントは、印象です。企業のブランドイメージを意味し、従業員の身だしなみや接客態度から、倉庫内の管理システムや衛生管理、実績を積み上げて獲得した信頼まで、あらゆる要素が印象に影響を与えます。
倉庫や運送車両といったハード面を整備するのはもちろんのこと、顧客満足度調査をフィードバックしてソフト面を強化し、新規クライアントの獲得や既存クライアントの関係強化に繋げましょう。
「雨の日でも普段通り」を実現する上屋テント

現場にとって最大の敵の一つが「雨」です。 荷捌き場の屋根が短かったり、野ざらしだったりすると、商品の水濡れリスクだけでなく、シート養生のタイムロスや、濡れた床での転倒事故につながります。
そこで検討したいのが、**低コスト・短工期で設置できる「上屋テント」です。
- 全天候型 雨の日でもリフト作業を止めずに済み、商品の品質もスタッフの安全も守れます。
- 明るい視界 膜屋根は光を通すため、日中は照明いらず。伝票やラベルの読み間違いを自然と防げます。
- 熱中症対策 直射日光を遮るため、夏の屋外作業に比べて体感温度が下がります。
上司を説得するための「武器」、一緒に作ります!

「もっと注意して作業しろ」と叱るよりも、「注意しなくてもミスが起きない環境」を用意する方が、現場管理はずっと楽になります。
とはいえ、設備投資には社内稟議という高い壁があります。 「ミスが減る」「作業が早くなる」ことが、具体的にいくらのコスト削減に繋がるのか。投資コストをどう回収できるかの試算ロジックについては、ぜひ弊社の営業担当にご相談ください。「現場が働きやすくなる環境」を勝ち取るために、説得材料の作成からお手伝いします。まずは現状の課題をそのままお聞かせください。

ご質問・ご相談などがありましたら
お気軽にお問い合わせください








