
「社長、車が……やられてます」
9月下旬のある午後。東京近郊の工業団地にある、樹脂成形・加工を手がける中堅メーカーの代表(40代)は、現場スタッフの声で外へ駆け出しました。屋外駐車場に並ぶ社用車のボンネットもドアも、無数のへこみ。フロントガラスはヒビだらけ。ドアミラーは粉々。さっきまで普通の雨だったのに、突然、雹が混ざり、10分もしないうちに車が”打ち抜かれた”ような状態になっていたそうです。
「テレビで雹のニュースは見たことがあったけど、まさか自分の会社で起きるとは思ってなかった」
代表は肩を落としました。
10分で数百万円が消える現場
被害は車だけじゃありませんでした。
- 社屋の雨どいには穴
- 建物の外装にも小さな傷
保険には入っていたものの、修理費の一部は自己負担。さらに、車の修理待ちが想定以上に長引きました。取引先の整備会社は、同じ雹で被害を受けた車の修理依頼でパンク状態。「3〜6カ月待ちになるかもしれません」と告げられ、業務用の車両運用にも影響が出ました。
現場スタッフのコメントが刺さります。
現場スタッフ 雹って、音が違うんですよ。最初は雨の”バチバチ”が急に”ゴツゴツ”になって…外を見たら一面白い粒で。あっという間でした。”避難させよう”と思った時にはもう遅かった。動く時間がないんです。
“想定外”の多くは、だだの”準備不足”です。
雹はなぜ怖いのか
雹は、地上と上空の温度差が大きいときに発生しやすいと言われます。積乱雲の中で氷の粒が成長し、溶けないまま落下。しかも、風に押されて横なぐりに飛んでくることもある。直径数センチの氷が、時速100km超で叩きつけられたら、車の薄い鉄板やガラスが無事でいられるわけがありません。
台風みたいに数日前から準備…が難しいタイプの災害です。
「保険で直せばいい」はもう通用しない
最近、保険会社が雹対策に本腰を入れ始めています。
理由はシンプルで、雹の保険金支払いが“異常に大きくなっている“から。
- 1回の雹で、支払いが数百億円規模
- 車の修理費も人件費も上がり続ける
- その結果、保険料も上がる
つまり、雹が増えるほど、保険に頼るコストも増えるわけです。
さらに企業の場合、保険で直したとしても、
- 修理待ちで車両が止まる
- 代車・外注の手配が必要
- 納期遅延や営業損失が出る
- 予定していた出荷や展示計画が崩れる
“保険では埋まらない損失”が、いちばん痛い。
雹対策は「予兆を知る」「守る」「逃がす」
雹に勝つには、根性じゃなく仕組みです。
方向性は3つ。
1. 予兆を知る(早めに気づく)
最近は、雹の接近を30分程度前に知らせるアラートサービスやアプリが増えてきました。
「通知が来たら車を移動」がルール化できれば、被害は大きく減らせます。
2. 守る(その場で防ぐ)
屋外保管が多い企業ほど、ここが本丸。
台数が多いヤードやディーラー在庫では、“1台ずつ守る”より”ヤード全体を覆う”発想のほうが合理的です。
3. 逃がす(動線を作る)
「どこへ退避させるか」を先に決めておく。
屋内スペース、立体駐車場、近隣施設、臨時の退避エリアなど。
避難の”地図”ができてる会社は強い。
明日、あなたの会社に雹が降るかもしれない
冒頭の会社の代表は最後にこう言っていました。
「”うちは大丈夫”って、根拠のない安心だった。 年1回でも起きるなら、何かやらないと会社が持たない」
雹は、もう「珍しい災害」じゃありません。
あなたの会社が
- 車両を屋外に置く
- ヤード・駐車場が広い
- 在庫や設備が外に露出している
このどれかに当てはまるなら、“被害に遭う側”の条件は揃っています。
いま、最低限やるべきチェックリスト
- 雹アラートの導入(無料含む)
- 通知が来たら誰が何をするかルール化
- 退避場所と動線の決定
- 厚手カバー or 退避用備品の整備
- 屋外大量保管の場合は「面で守る」設備検討
雹害は、“気合いで避ける災害”じゃない。先に気づいて、動ける会社だけが損失を小さくできる。そして現実は残酷で、備えは被害が出る前しか整えられません。次の雹が来る前に、できるところから一歩、やっておきましょう。
防雹ネットで雹被害ゼロへ!




ご質問・ご相談などがありましたら
お気軽にお問い合わせください








