
はじめに
工場・倉庫で最も多く使われている屋根のひとつが「折板屋根」です。折板屋根は、安価で強い屋根を架けられる一方で、断熱や結露といった課題があります。折板屋根を使用する際はこのようなデメリットを把握し、対策を取っておくことが大切です。
そこで今回は、折板屋根の基本的な知識、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。折板屋根に代わる選択肢として注目を集めている膜屋根についても触れますので、工場・倉庫を新築・改修しようと考えている方はぜひご覧になってみてください。
折板屋根とは、工場・倉庫で採用される理由
折板屋根は、日本の工場・倉庫で多くの実績がある信頼性の高い屋根です。
まずはその基本的な特徴を理解し、折板屋根が使われる理由を知っておきましょう。
折板屋根の特徴
折板屋根は、金属板を波状に折り曲げることで強度を高めた屋根材です。形状によって強度を発揮するため1ミリ前後の薄肉の金属板で製作でき、省資源かつ軽量であるといったメリットがあります。屋根が軽いとそれを支える柱や梁などの構造部材も小さく設計できるので、大きなコストメリットを生みます。
材料には、錆びにくく耐久性が高いガルバリウム鋼板を使うのが一般的です。その他にも、亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板などを使用できるので、コスト・性能・デザイン性を考慮して選択しましょう。
折板屋根のメリット・デメリット
折板屋根にはさまざまなメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。
採用を検討する際は、メリットとデメリットを正しく理解し、施設運用を踏まえて総合的に判断することが重要です。
折板屋根のメリット
折板屋根は、導入のハードル、性能、コストなど、さまざまな面でメリットがあります。
- 工期の短縮
- 軽量屋根による構造負担の低減
- 耐久性と経済性のバランス
- 雨漏りに強い構造
- 過去の実績による信頼性
折板屋根は施工しやすいため、短工期で設置できます。できるだけ早く事業を進めたい事業主のニーズに応えられるほか、改修時は短工期の工事で営業停止期間を最小限に抑える解決策にもなります。また、軽量なので構造部材への負担が少なく、耐久性と経済性のバランスがよい点も工場・倉庫にぴったりです。
波型スレート屋根も工場・倉庫でよく使われている屋根ですが、2004年以前の製品は人体に悪影響を与えるアスベストを使用していたことから、アスベストが禁止されてからしばらくは使用を控えられていました(現在は問題なく使えます)。その間も折板屋根は実績を増やし続け、雨漏りなどのさまざまなリスクに対して信頼性の高い屋根として認知されています。
折板屋根のデメリット
次に、折板屋根のデメリットをみていきましょう。
- 断熱性能が低い
- 結露が生じやすい
- 錆が発生する
- 雨音が響きやすい
折板屋根で留意しておきたいのが、断熱性の課題です。金属は熱伝導率が高いため、対策をしないと夏場は室内が高温になってしまいます。この課題を解決するには、断熱材一体型の折板屋根を採用することをおすすめします。また、内外の気温差により結露が生じやすいため、防湿層の設置も合わせて検討しましょう。
一般的に防錆塗装で錆の対策をしますが、屋根を固定するビス孔の断面などから錆びが発生してしまうケースがあります。定期的な目視点検などで被害を抑えることができるので、施設の運用を開始する際は建物のメンテナンス項目としてリストアップしておきましょう。
金属屋根は、雨の音が響きやすいといったデメリットもあります。そのため、執務空間は低層階に設置するなどの対策を取るのが一般的です。どうしても折板屋根の直下に集中力が必要な作業空間を設置する場合、小屋裏に吸音材を敷設するといった対策がおすすめです。
なお、断熱材一体型折板屋根や吸音材を使うことでコストが上がり、折板屋根のコストメリットが小さくなってしまう可能性があるので、留意しておきましょう。
折板屋根のメンテナンス
折板屋根のメンテナンスは、定期的な塗装補修のほか、カバー工法や葺き替え工事による全面改修を行います。工場でよく使われる屋根の改修については以下の記事で解説していますので、ご参考になさってください。
コストを抑えるには膜屋根もおすすめ
折板屋根は工場・倉庫にぴったりの屋根ですが、
それに代わる新たなソリューションとして注目を集めているのが「膜屋根」です。
膜屋根の特徴
膜屋根は、耐久性の高い膜材を使用した構造で、従来の折板屋根などとは異なる特性を有しています。非常に軽量なので少ない柱で支えることができ、内部には無柱の大空間が広がります。膜素材は透光性が高く、明るい内部空間が生まれることも膜屋根ならではのメリットです。また、3次元曲面による建築的な美しさに魅力を感じる方も少なくありません。
折板屋根と同様に、通常の膜屋根は断熱性能が高くありません。しかし、二重膜にして空気層を挟むことで大きく改善されます。光の反射率が高い素材を選ぶとエネルギー効率を高められるので、環境に配慮した施設でランニングコストを抑えたい場合におすすめです。
工場・倉庫に膜屋根を採用するメリット
膜屋根を工場・倉庫に採用すると、コストや快適性などのさまざまな観点でメリットがあります。
- ランニングコスト削減
- 工期短縮
- 改修時も営業への影響が少ない
- メーカーによるワンストップサービス
- 内部空間の快適性アップ
最近増えているのが、改修費やランニングコストを削減するため、改修先として膜屋根を選択するケースです。折板屋根と比べて短工期で張り替えられるので、営業への影響といった面でもメリットが大きいと判断する事業主が増えています。膜屋根を独特なノウハウが必要であることから、専門メーカーがアフターメンテナンスまでフォローしてくれるケースが少なくありません。専門家のアドバイスを受けながら維持管理できることも膜屋根の魅力。
また、内部空間が明るくなることにより作業環境を改善できることも大きなメリットです。手元が見やすくなって作業効率がアップするだけでなく、コミュニケーションを取りやすい空間を生み出せます。昼間の照明コストを削減できることも見逃せないポイントですね。
折板屋根から膜屋根に改修するならストラクトまで
前述のとおり、折板屋根から膜屋根に改修するのは事業に大きなメリットをもたらします。ストラクトは膜構造物のプロフェッショナルであり、経験豊富なスタッフが理想の膜屋根改修を実現します。ワンストップサービスで設計・施工・アフターメンテナンスまで承りますので、ぜひお気軽にご相談ください。
おわりに
折板屋根は、低コストで耐久性の高い屋根を架けられる工場・倉庫にぴったりの屋根です。長年にわたって積み上げられた実績により品質面の信頼性が高く、生産機械や保管物、作業環境を守るのに最適なソリューションのひとつといえるでしょう。一方、最近は従業員が働きやすい職場も重視されています。明るい空間で気持ちよく働ける作業環境を整えたいと考えている場合は、膜屋根もご検討ください。

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